サウナを事業として開業するには、公衆浴場法に基づく営業許可の取得が必須です。個室サウナや薪サウナといった形態を問わず、営利目的で一般客にサウナを提供する時点で、保健所への申請と施設検査が義務づけられます。この記事では、2026年時点の最新情報をもとに、サウナ開業に必要な許可や法律、手続きの流れを実務に役立つレベルで解説します。
目次
- 1サウナ開業に必要な許可と主要な法律
- >公衆浴場法による営業許可
- >消防法による火災予防
- >建築基準法による構造・防火規定
- 2公衆浴場法の営業許可が必要なケースと例外
- >原則:営利目的でサウナを提供するなら許可が必須
- >例外:旅館業法の許可で代用できる場合
- >2026年度の法改正:個人利用は適用外に
- 3営業許可取得の流れと必要書類
- >①事前相談(計画段階で必須)
- >②申請書類の準備と提出
- >③施設検査と許可の交付
- 4サウナ開業にかかる費用と補助金の活用
- >初期費用の目安
- >補助金・助成金の活用
- 5サウナの種類と開業スタイル
- >個室サウナ(プライベートサウナ)
- >薪サウナ
- >大型温浴施設(スーパー銭湯型)
- 6サウナ開業を成功させるポイント
- >ターゲットを明確にする
- >立地と物件選定
- >専門家への相談
- 7よくある質問
- >サウナ開業に資格は必要ですか?
- >個室サウナでも公衆浴場法の許可が必要ですか?
- >旅館やホテルに併設する場合は公衆浴場法の許可は不要ですか?
- >補助金はどのタイミングで申請すればよいですか?
- >消防法の基準を満たせば公衆浴場法の許可も自動的に取れますか?
- 8まとめ
- 9参考リンク
サウナ開業に必要な許可と主要な法律
サウナ施設を運営するには、複数の法律が関係します。まずは全体像を把握しておきましょう。
公衆浴場法による営業許可
サウナを開業する場合、厚生労働省管轄の『公衆浴場法』に定められている構造設備基準や適正配置基準に基づいて設計・施工し、サウナ施設所在地を管轄する保健所長の許可を受ける必要があります。
公衆が利用する入浴施設である『公衆浴場』は、『普通公衆浴場』と『特殊公衆浴場(その他の公衆浴場)』の大きく2つに分けられます。普通公衆浴場は銭湯のことを指し、特殊公衆浴場はスーパー銭湯やスポーツジムのお風呂、サウナなどのことを指します。
サウナ施設のほとんどは「その他の公衆浴場」に該当します。
この区分により、設備基準や衛生管理基準が決まります。
無許可で営業した場合や、都道府県知事の営業停止命令に反して営業した場合、公衆浴場法第8条に基づき6か月以下の拘禁刑または2万円以下の罰金の対象となります(2025年6月の刑法改正により懲役・禁錮は拘禁刑に統一されました)。また、営業者が条件違反や衛生措置義務違反をした場合、第7条に基づき都道府県知事から営業許可の取消しまたは営業停止命令を受ける可能性があります。※罰則の詳細は2026年時点の法令を各自ご確認ください。
消防法による火災予防
サウナは高温環境で火を扱う設備であるため、消防法の対象です。
サウナストーブは「風呂場その他火を使用する設備」に含まれるため、市町村ごとに定められている火災予防条例による設置基準を満たす必要があるのです。
具体的には、サウナストーブと周囲の可燃物との離隔距離、火災報知器や消火設備の設置、高温対応型感知器の選定などが審査されます。
サウナ内部は高温のため通常のスプリンクラーヘッドは不適合です。
建築基準法による構造・防火規定
サウナ室は「火気使用室」として扱われるため、建築基準法の防火・構造基準を満たす必要があります。
サウナの設置は、国の法律(建築基準法・消防法・公衆浴場法)だけでなく、自治体ごとの「生活環境保全条例」「建築基準条例」「温浴施設運営指導要綱」にも適合させなくてはなりません。
特に薪サウナは、都市部・住宅地・観光地など地域によって扱いが異なるため、自治体の建築指導課や環境課への事前相談が不可欠です。
| 法律名 | 担当窓口 | 主な審査内容 |
|---|---|---|
| 公衆浴場法 | 保健所 | 営業許可、構造設備基準、衛生管理、水質検査 |
| 消防法 | 消防署 | 火災予防条例、離隔距離、消火設備、避難経路 |
| 建築基準法 | 建築指導課 | 建築確認申請、防火構造、用途区分 |
【重要】公衆浴場法・消防法・建築基準法のいずれも、構造設備基準や運用は都道府県・市区町村ごとに条例や火災予防条例で定められており、全国一律ではありません。計画段階から必ず管轄の保健所・消防署・建築指導課に事前相談を行い、地域固有の要件を確認してください。
公衆浴場法の営業許可が必要なケースと例外

原則:営利目的でサウナを提供するなら許可が必須
サウナに不特定多数のお客さんを入れたい場合、「公衆浴場法」の許可が必要です。
営利目的で一般客にサウナを提供する時点で、公衆浴場法の対象です。
個室サウナやプライベートサウナであっても、営利目的であれば公衆浴場法の適用範囲です。
例外:旅館業法の許可で代用できる場合
すでに温泉施設として開業している施設にサウナを新設したり、旅館を大幅にリニューアルして温泉を設置したりする場合、旅館業法の適用を受けているなどの理由で公衆浴場法が適用外になるケースもあります。
旅館業に基づく許可を取っている施設(ホテル・旅館・簡易宿所等)は、そもそも保健所に旅館業の許可申請をする際に、入浴施設に関する項目をクリアする必要があります。そのため、サウナを設置した場合はもともと取得している旅館業許可の変更で足ります。
ただし、
宿泊客以外の日帰り利用者を受け入れるかどうかが判断分岐点
です。
旅館業法の適用を受ける宿泊施設でも、大浴場などの共同浴室を使用して日帰り入浴させる場合は公衆浴場営業許可が必要となります
という自治体の見解があります。
施設によって条件が異なるため、事前に保健所に相談することが不可欠です。
2026年度の法改正:個人利用は適用外に
2026年3月31日から施行された火災予防条例の改正により、屋外に設置するテント型・バレル型サウナで、定格出力6kW以下の電気・薪ストーブを備えたものは「簡易サウナ設備」として新たに分類され、離隔距離等の基準が定められました。ただし、営利目的で不特定多数に提供する場合は引き続き公衆浴場法が適用される可能性があり、消防法などの安全基準も遵守し、所轄消防署への届出が必要です。個人の居住用であっても設置基準は遵守する必要があります。
営業許可取得の流れと必要書類
サウナ開業に向けて営業許可を取得する場合、以下の流れで手続きを進めていきます。
①事前相談(計画段階で必須)
サウナの営業許可を取得するためには、立地条件に関する規定や構造基準、衛生管理基準といった様々な法律や条例が適用されているかの確認が必要です。そのため、計画段階でサウナ施設の平面図を持参の上、保健所に相談しましょう。
サウナ施設は消防法や都市計画法、建築基準法といった様々な法令も関係してきます。関係部署にも、事前に相談しておきましょう。
事前相談を怠ると、着工後に追加工事が発生したり、営業開始が遅れたりするリスクがあります。
②申請書類の準備と提出
以下の書類を準備し、保健所に提出・申請します。
必要な書類は自治体により異なりますが、一般的には次のものが求められます。
- 公衆浴場営業許可申請書
- 施設の平面図・設備図
- 構造設備の概要書
- 衛生管理計画書
- 営業者の履歴書
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 建築確認済証または検査済証
- 消防署からの通知書または同意書
③施設検査と許可の交付
サウナ施設が完成したら、消防署や保健所による立入検査があります。消防署では防火設備や避難経路の確認が、保健所では衛生管理の基準が満たされているかどうかがチェックされます。そして無事検査に合格すれば、晴れて営業許可が下り、サウナの開業準備が整います。
ここで不備があると、追加工事が発生して営業開始が遅れてしまうので注意が必要です。
サウナ開業にかかる費用と補助金の活用
初期費用の目安
事業用サウナの開業に必要な初期費用は、施設の規模・立地・設備の種類(電気式・薪式・ガス式)・内装のこだわりなどによって大きく変動します。小規模な個室サウナで500万円~2,000万円程度、一般的な温浴施設型で2,000万円~5,000万円程度、大型の複合施設では1億円以上となる場合もあります(2026年時点の市場相場の目安)。具体的な金額は複数の施工会社から見積もりを取り、最新の資材価格や人件費を反映した計画を立てることをおすすめします。
費用の内訳には、物件取得費、内装工事費、サウナ設備・ストーブ、水風呂・シャワー設備、換気・空調設備、受付システム、人件費などが含まれます。
補助金・助成金の活用
ものづくり補助金(2026年度は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合)は中小企業の生産性向上を目的とした制度で、サウナ室の建設や給排水設備、空調システムなどの導入費用に対して補助される場合があります。2026年度の統合後制度では補助上限が最大7,000万円(賃上げ特例適用時は最大9,000万円)となりましたが、補助対象や要件は公募回ごとに変わるため、申請時点での最新公募要領を必ずご確認ください。
事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者が新分野への展開や業態転換を行う際に利用できた国の支援制度でしたが、2025年3月の第13回公募をもって終了しました。2025年度は後継制度として「中小企業新事業進出補助金」が創設され、同補助金も2026年6月の第4回公募で終了。2026年度からは「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合されています。サウナ事業への参入を検討する場合は、最新の公募要領や中小企業庁の公式サイトで現行制度をご確認ください。
ただし、補助金・助成金は毎年度の公募要件や採択状況が変動するため、申請時点での最新情報を各制度の公式サイトや中小企業支援機関で確認することが必要です。
サウナの種類と開業スタイル
個室サウナ(プライベートサウナ)
一人、あるいは少人数で気兼ねなく楽しめる個室サウナは、現代のプライバシー重視のニーズに合致しています。他人の目を気にせず、自分の好きな温度やタイミングでロウリュを楽しめる贅沢は、熱心なサウナーを惹きつける大きな魅力と言えるでしょう。
一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所が2023年3月に発表した「日本のサウナ実態調査2023」(2023年1月実施、2022年の利用状況を調査)によると、男女とも25%以上が個室型貸切サウナを利用した経験があり、1回当たりの利用金額が3,000円以上の利用者が60%を超えています(出典:日本サウナ・温冷浴総合研究所、2023年3月発表)。市場動向は変化するため、最新のデータもあわせてご確認ください。
薪サウナ
薪を燃やして熱を得る薪サウナは、アウトドア志向や自然志向のサウナ愛好家に人気です。ロウリュの体験価値が高く、独特の香りや熱の質が魅力です。ただし、煙突の設置、排煙、防火基準、自治体の環境条例などの確認が必要です。
大型温浴施設(スーパー銭湯型)
サウナと水風呂、休憩スペース(外気浴)を組み合わせた「ととのう」体験を提供する大型施設も根強い人気があります。集客力が高い反面、初期投資や運営コストも大きくなります。
サウナ開業を成功させるポイント
ターゲットを明確にする
個室サウナは若年層やカップル、大型施設はファミリー層や高齢者など、誰をターゲットにするかで施設の設計や料金設定が変わります。ターゲットを明確にすることで、集客方法やサービス内容を効率よく絞り込めることが期待されます。
立地と物件選定
駅近・繁華街は集客に有利ですが、地価や家賃が高額です。一方、郊外は駐車場を確保しやすく、薪サウナなどの煙が出る設備も導入しやすい傾向があります。事業計画に合わせた立地選びが重要です。
専門家への相談
公衆浴場法・消防法・建築基準法の基準は自治体ごとに運用が異なるため、計画段階から行政書士、建築士、施工会社などの専門家に相談することで、後のトラブルを回避できます。
株式会社RiBeQでは、サウナプロデュース業務を通じて、企画・設計から施工サポート、開業後の集客・運営まで一気通貫でお手伝いしています。あらゆるサウナを巡った知見をもとに、お客様の理想のサウナ施設を実現します。また、月2回開催のサウナ交流会(経営者向けビジネス交流会)もご用意しておりますので、サウナ開業に関心のある方との情報交換の場としてもご活用いただけます。
よくある質問
サウナ開業に資格は必要ですか?
サウナを開業する際に必須の資格はありませんが、必要な許認可はあります。
公衆浴場法に基づく営業許可が必須です。防火管理者の資格が必要になる場合もありますが、施設の規模や用途により異なります。
個室サウナでも公衆浴場法の許可が必要ですか?
はい、必要です。
「小規模だから」「個室だから」という理由で無許可営業が成立することは、ほぼありません。
営利目的で一般客にサウナを提供する時点で公衆浴場法の対象となります。
旅館やホテルに併設する場合は公衆浴場法の許可は不要ですか?
ホテルや旅館が新たにサウナを導入する場合、旅館業法の許可を受けていれば公衆浴場法は適用されません。
ただし、
適用外となるかどうかの最終判断は管轄の保健所が行いますので、事前に保健所へ相談することが重要です。
補助金はどのタイミングで申請すればよいですか?
補助金は公募期間が決まっているため、事業計画の策定段階で早めに情報収集を始めることをおすすめします。採択後に着工する必要がある制度も多いため、スケジュールを逆算して準備しましょう。
消防法の基準を満たせば公衆浴場法の許可も自動的に取れますか?
いいえ、それぞれ別の法律で担当窓口も異なります。消防法は消防署、公衆浴場法は保健所、建築基準法は建築指導課と、各窓口への事前相談と許可・確認の手続きが個別に必要です。
まとめ
サウナ開業には、公衆浴場法・消防法・建築基準法という3つの法律が関わり、それぞれ保健所・消防署・建築指導課への申請と検査が必要です。営利目的で一般客にサウナを提供する場合は、個室であっても公衆浴場法の営業許可が原則必須となります。ただし、宿泊客のみが利用するサウナなど、旅館業法の許可で代用できるケースもあるため、事前に保健所への相談が欠かせません。
初期費用は施設の規模や立地によって大きく変動し、小規模な個室サウナで500万円~2,000万円程度、大型の複合施設では1億円以上となる場合もあります。事業再構築補助金は2025年3月で終了しましたが、2025年度は後継制度として「中小企業新事業進出補助金」が創設され、同補助金も2026年6月の第4回公募で終了。2026年度からは「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合されており、これらを活用することで負担を軽減できる可能性があります。自治体により運用や基準が異なるため、計画段階から専門家に相談し、法令遵守と安全な施設運営を両立させることが成功の鍵です。
まずはお気軽にご相談ください。株式会社RiBeQに無料相談する
参考リンク
サウナ施設の企画・設計から開業後の集客・運営まで、株式会社RiBeQが一気通貫でお手伝いします。「まずは話だけ聞いてみたい」という方も、お気軽にご相談ください。
川崎 悠太 / 株式会社RiBeQ
代表取締役
サウナプロデュース・AI開発・クリエイティブを軸に、あらゆる可能性に挑む株式会社RiBeQを経営。あらゆるサウナを巡った知見を活かし、サウナ施設の企画・設計から開業後の集客・運営まで一気通貫でプロデュース。AI構築コンサルティングやSEO/LLMO対応の記事作成自動化など、企業のAI活用支援も手がける。月2回開催の経営者向けサウナ交流会を主宰。






